商品一覧

PreXionLED AcousticX

LED光源方式光音響イメージング

PreXionLED AcousticX

装置の大幅な小型化と低消費電力化、低価格化が可能な画期的 LED 励起方式光音響 イメージング・システム技術を開発し、医療応用の早期実現を目指して、関心のある方々 に広く使っていただける非医療用の研究向けの光音響イメージング機器です。

PreXionLED AcousticX

エコー検査をご覧になったことがある方はご存知かと思いますが、検査を受ける際に検査技師さんやお医者さんが超音波画像診断装置に付属している超音波を送受信するプローブという部分をお腹や首の体表面につけて断層像を撮ります. 当社が開発した技術はこちらの超音波プローブ部分に組み込み可能な光音響イメージングの光源です。
光音響と超音波は異なるものですが、検出する対象が超音波という点では同じ為、超音波画像診断装置に組み込んで使用する事が出来、両者を併用することで効果的な画像が得られます。

fig1-2

Fig.1                  Fig.2

光音響イメージングの原理

光音響イメージングの原理について、わかりやすく説明するために、超音波と比較します。

● 超音波と光音響の違い (Fig. 3)

仕様 特長
超音波 プローブから超音波を送信して
反射波を受信するPreXionLED AcousticX
>反射体の位置がわかる
>形態構造がわかる
>動いている血流がわかるPreXionLED AcousticX
光音響 プローブから(波長の異なる)光を
照射して光音響波を受信する
PreXionLED AcousticX
>光吸収体の位置がわかる
>血液の分布がわかる
>機能がわかる
>注射針が明瞭にわかる

超音波はプローブから超音波を送信して被検体内から返って来る反射波を受信します。伝搬時間から反射体の位置がわかり、反射信号の強度を画像の輝度(明るさ)に変換することで画像化しています。ドプラモードでは動いている血流を赤や青で表示します。
一方、光音響イメージングでは、超音波を送信しません。その代わりに被検体内表面付近から近赤外光を被検体内に照射します。被検体内にある光吸収体は断熱膨張し微弱な音響波が発生します。これを受信することで、光吸収体の位置がわかります。例えば血液の分布がわかりますし、複数の異なる波長の光を使うことによって動脈、静脈の区別や酸素飽和状態等がわかります。また被検体内に刺し入れられた注射針も光音響効果で明瞭に表示することができます。この効果を利用して画像化する方法を光音響イメージング法と呼んでいます。

光の波長

光音響イメージングの光についてもう少し、詳しく解説します。
体に光を当てても体内には伝わらないのではないか、という懸念もあると思いますが、光音響イメージングで使われる光は近赤外光で波長がおよそ0.7µmから2.5µmの光です。生体組織に対して透過率が高く生体深部の情報を非侵襲に得られることから,生体イメージング装置に応用されています。しかしながら、生体組織には光を吸収・散乱する物質が存在しており、特にヘモグロビンと水による光吸収が強いことが知られています。Fig.4は横軸に光の波長、縦軸に吸収・散乱の強さを示しています。

PreXionLED AcousticX Fig.4

Fig.4に示すように,波長が0.7µm以下の光は血液中のヘモグロビンの吸収が強く,一方1.3µm以上の光は水による吸収が強いことがわかります。波長が0.7µmから1.3µmの領域はどちらの物質による吸収も低いため、生体に対して透過性が高い領域であり,「光学的窓」や「生体の窓」とも呼ばれており、光音響イメージングに適しています。
このような近赤外光をナノ秒パルス光(パルス幅がナノ秒で発振する光)として生体に照射すると熱伝導をする時間も無い急激な変化なので、生体内の光吸収体で吸収された光のエネルギーにより断熱膨張という現象が起こり、弾性波が発生します。発生した音響波は超音波の周波数領域であることから、超音波センサーで受信することができます。生体内の音波は約1500m/sで伝搬するため、伝搬時間から光吸収体の位置情報を取得し、信号強度から吸収量の情報を画像化することができます。

POCにおける針の視認性の重要性と光音響イメージングによる注射針の描出

POCとはPoint Of Care の意味で、病室や災害・救急現場で、患者のすぐそばで行う検査・診断・処置という意味で使われる用語です。単なる画像診断だけではなく、画像を見ながら何かしら検査・治療に関わる次の処置を行う現場のことです。
救命救急など迅速な診断・治療が要求される現場では小型、簡便、安全な機器が要求されていますが、そのような現場では注射のみならず針を使った施術が行われています。特に麻酔、細胞を採取する生検、溜まった腹水を抜いたりするドレナージ等があり、より迅速に、正確に安全に行なうため近年では小型超音波診断装置で画像を見ながら針を刺すということが行われています。医師といえども熟練を要しており、学会、セミナーでも実習練習が行われているほどで、安全な処置のためにも針の視認性が重要であると言えます。
このように針がよく見えることが重要であることがわかるサンプル画像をご覧になって下さい。Fig.5は、擬似的に生体に模したニワトリの胸肉を超音波で撮像した画像です。
直径0.9mmの医療用の針を刺しているところですが、超音波画像では針の位置がわかりにくいことがご覧頂けると思います。

PreXionLED AcousticX Fig.5

一方、Fig.6は同じように針を刺しているところを光音響イメージングで音響波を受信し画像化したものです。先ほどと違って針が明瞭に検出されていることがお分かり頂けると思います。

PreXionLED AcousticX Fig.6

超音波画像と光音響画像をFig.7のように組みわせて表示させることができますので、周囲の組織の画像も見ながら、明瞭に針の位置を確認しつつ針を刺すことが可能になります。

PreXionLED AcousticX Fig.7

光音響イメージングの医療応用

光音響イメージングには針を明瞭に表示できることの他にも色々な医療応用の可能性があります。光音響イメージング医療応用の研究をいくつかご紹介します。
例えば超音波内視鏡という装置がありますが、こちらに光音響を組み合わせると超音波画像のみではわからない病変部の情報を表示させることで、診断情報が増え、穿刺時にも標的がはっきりする可能性があります。(Washington Univ. in St. Louis)[1]
乳腺領域では、乳がん検査の際にX線マンモグラフィが使われますが、X線マンモグラフィは安全といえども放射線被曝がありますし、また日本人を含むアジア女性にはデンスブレストと呼ばれる高密度乳腺が多く、乳腺とがんが重なることにより、通常のマンモグラフィ検査では見逃される症例もあると言われていますが、光音響で血管の密集腫瘍部分と正常な血管部分との差が鮮明にわかるという研究もされています。(Univ. of Twente)[2]
また前立腺生検の際、体腔内プローブとの組み合わせで、複数箇所の細胞を採りますが光音響イメージングと併用して標的を明らかにすれば穿刺回数を減らすことや、前立腺摘出術時に気を使う神経血管束の温存にも寄与できる可能性もあります。(防衛医科大学校)[3]
脳梗塞の原因の一つに頸動脈等の血管壁にできるプラークがあります。このプラークの中にはドロドロとした粥状(じゅくじょう)プラークと呼ばれる破裂のリスクの高いプラークがあり、このリスクを検出できるのではないかという研究も進んでいます。(Purdue Univ.)[4]
[参考文献]
[1] Photoacoustic endoscopy. Yang JM, Maslov K, Yang HC, Zhou Q, Shung KK, Wang LV. Opt Lett. 2009 May 15;34(10):1591-3.
[2] M. Heijblom, D. Piras, W. Xia, J. van Hespen, J. Klaase, F. van den Engh, T. van Leeuwen, W. Steenbergen, and S. Manohar Visualizing breast cancer using the Twente photoacoustic mammoscope: What do we learn from twelve new patient measurements? Opt. Express 20, 11582-11597 (2012).
[3] Development of photoacoustic imaging technology overlaid on ultrasound imaging and its clinical application
Author(s): Miya Ishihara; Kazuhiro Tsujita; Akio Horiguchi; Kaku Irisawa; Tomohiro Komatsu; Makoto Ayaori; Takeshi Hirasawa; Tadashi Kasamatsu; Kazuhiro Hirota; Hitoshi Tsuda; Katsunori Ikewaki; Tomohiko Asano
[4] High-speed ‘label-free’ imaging could reveal dangerous plaques: November 4, 2014

光音響イメージング装置の課題

このように、光音響イメージングを利用することで様々な可能性がありますが、未だ医療現場が求める装置になっていません。その理由はなんでしょうか?
その理由のひとつとして、装置が大型で高価であることが考えられます。
光音響イメージングはこれまで、固体レーザーと波長を可変する装置の組合せで構成される光源を使うことが主流になっています。しかしながら、Fig.8に示しますように固体レーザーは光学部材の精密な配置が必要で、振動による特性変動を抑制するための重い光学定盤や強固な筐体が必要なので、一般的にレーザー装置は大きくなり、かつ駆動電源も大きいため、広い設置場所を必要としますし、構成が複雑なので装置が非常に高価になる傾向があります。

PreXionLED AcousticX Fig.8

一方、Fig.9の大きさでもわかりますように高輝度LEDで光源を構成することによって、光学定盤や強固な筐体も必要ないので非常に小型化することができますので、可搬性にも優れており、場所を選びません。

PreXionLED AcousticX Fig.9

LED光源システムとLaser光源システムを比較し表1にまとめました。サイズではLEDが1としますとレーザーは約15000倍、消費電力ではLEDが1Wくらいでレーザーは1000倍、コストにしてもレーザーは10倍以上です。このような現状を解決すべく、超音波プローブに組み込み可能な超小型高輝度パルスLED光源を開発致しました。

PreXionLED AcousticX 表1

LED光源に関する基本的かつ競争力のある特許を60件以上出願しています。LED光源だからこそ有効に作用するという現象をたくさん見つけてこれを特許化しました。やってみないと分からない強い特許内容が多数含まれています。

今回開発した光音響イメージング・システムについては先ほど紹介しました将来の医療分野での応用、実用化を目指し、複数の医療機器メーカーや医療現場の方々とも連携して用途開発と製品開発を進めていきたいと考えています。

カタログ PDF

PreXionLED AcousticX カタログ

ページ上部へ戻る